タカトシの涙が止まらナイトで紹介された
●ある母親が娘に初めて語った「この世で一番大切な日」の物語
私達の結婚生活はゼロからのスタートでした
両家の反対を押し切り、駆け落ち同然ではじめた結婚生活は、
まるで絵に描いたような貧乏生活だった
「ごめんな、ちょっと待ってな」
指輪なんて無くても私は幸せでした…
営業マンだった夫は朝から晩まで身を粉にして働き、
私もパートで働き、それはもう大変な生活でした
結婚10年目で出来た娘は、素直ないい子に育ち、
贅沢ではないけど幸せってこんな事なんだなぁ
って実感する毎日を過ごしていた時でした…
ある日、夫が入院…
医師から夫はもう助からないと知らされました
夫には言えませんでした…
しかし夫はもう助からない事を悟っていたのかもしれません
「今日、何日やった?」「2月…3日…」「誕生日おめでとう。そこ…」
衰弱した夫が弱々しく指した棚の中にあったのは…指輪…
「16年も待たせて、ごめん…」
夫は友人に頼んで指輪を用意してくれていたのです
1ヶ月後、夫は眠るように天国へと旅立ちました
たった16年で終わった結婚生活
貧乏で不幸だったと言われたらそうだったかもしれません
でも振り返ってみると浮かんでくるのは幸せな瞬間ばかりなんです
最初で最後の誕生日プレゼント
それはいつか約束した小さなダイヤが一つだけ付いた綺麗な指輪でした
(2111)