砂漠を森に変えた男:ヤクーバ・サワドゴ

地球上で最も広いサハラ砂漠

●たった1人で砂漠を森に変えた男:ヤクーバ・サワドゴ

絶え間ない干ばつと飢饉…

広がり続ける砂漠から非難する人が後を絶たない

そんな場所にある小さな国:ブルキナファソ

今から50年前、当時7歳のヤクーバは、

家族の元を離れ寄宿制の学校に通っていた

卒業後は機械の部品を売る店を開いた

1908年ごろ、ヤクーバの故郷:ゴルマ村は、干ばつにより深刻な食糧難に

そのためもっと肥沃な土地を求め、移住していく人が後を絶たなかった

村民の1/4が村を捨てた

村のピンチにヤクーバは店をたたみ、故郷へ戻る事を決意

故郷に帰るとそこは荒れ果てた土地に変わっていた

ヤクーバは一人、村の土地を耕した

この地域には古くからの伝統的な農法があった

それは雨期直前のある決められた日に小さな穴を掘って種を植えるというもの

しかし、この方法を試しても状況は変わらなかった

そこでヤクーバは、皆が休んでいる乾期の時期から、

大きな穴をたくさん掘り、

その中に動物の糞など堆肥を入れる方法を試した

さらにシロアリを農地に放し、

巣を作らせることで土を柔らかくする方法も取り入れた

雨期が来るまでの間、一人この作業に明け暮れた

これまで雨水は硬い土の上をあっという間に流れていくだけだった

そこで石を並べ低い堤防を作り、雨水をせき止めてしまえば、

ゆっくりと土に吸収させることが出来ると考えた

自分が信じたやり方で一人荒れた土地を耕し続けるヤクーバ

すると耕した穴から植物が育ち、多くの農作物を収穫することが出来た

この農法はザイ農法と呼ばれ、

ヤクーバは村のために来る日も来る日も耕し続けた

その姿はいつしか村人の心をうち、賛同者が現れ、

規模は次第に大きくなっていく

仲間が増えヤクーバはザイ農法を使い、

砂漠に種を植えて木を生やそうと試みた

すると数年後、サッカーグラウンド12面分もの広大な緑地ができた

ヤクーバは木が一本も生えていなかった砂漠に森を作る事に成功した

1990年、再び大規模な干ばつに襲われたのだが、

作物を収穫できたのはザイ農法を取り入れた土地だけだった

20年余りの歳月をかけてヤクーバが砂漠に作った緑地は、

サッカーグラウンド30面分にまで広がっていた

そんなある日、ゴルマ村近くの町を拡張する国の計画が持ち上がり、

ヤクーバが必死に開拓してきたのうちヤモリが潰されることとなった

そこへヤクーバが砂漠に森を作ったニュースが世界に届いた

貧困地域支援団体オックスファムから

ザイ農法について話してほしいとアメリカに招待された

そこには多くのNGOスタッフや政府関係者の姿が…

彼はアメリカの様々な場所で体験談を語り大成功を収めた

ヤクーバの試みが世界に認められたのか、

都市拡張計画が変更され農地や森は潰されない事になった

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