妻の遺影と旅行する男性の話

タカトシの涙が止まらナイトで紹介された妻の遺影と旅行する男性の話

 

キャビンアテンダントして15年…私には忘れられない出来事があります

それは成田発、カナダのバンクーバーに向かう機内での事

客室乗務員として乗務していた私は、

何とも言えない寂しそうな顔をしたお客様のことが気になりました

体調でも悪いのか、確認のため私は座席に向かいました

 

その男性の座席の隣には、女性の遺影が…

 

実は家内なんですよ…

結婚30年の記念に初めて女房を

海外旅行に連れて行ってあげる約束をしてたんですが…

旅行の1か月前に…突然 脳内出血で亡くなってしまって…

 

旅行を本当に楽しみにしていた、お母さんを旅行に連れて行ってあげて、

と娘に諭され、男性は妻の遺影を持ち込みこの飛行機に乗り込んだ

さらに、席の隣にお母さん以外の人が座ったら、お母さんやきもち焼くと思う

横の席 買ってでもいいからお母さんの席を作ってあげて

 

出発の時にお前が待ち望んでいた海外旅行に連れて行ってやるぞ

と声をかけたんですが…返事が無いのがこんなに寂しいとは思わなかったです

 

あの寂しそうな顔は返事がないことの寂しさを痛感した瞬間の顔だったのです

私はこの人のために何ができるだろう、と考えました

「奥様がここに居られましたら何をお飲みになりましたか?」

「赤ワインが好きな女房でした」

「承知いたしました」と、奥様の分も赤ワインをご用意しました

この夫婦のために一体 何が出来るのか?

話を聞いた他の客室乗務員は、夫婦が少しでも旅を楽しんでもらいたいと、

飛行機の中にある花を全て集めて奥様の遺影の前に贈ったのです

 

「本当に良い旅行になりました。女房も喜んでいると思います」

「いってらっしゃいませ」

あの後姿を私は一生忘れる事はありません

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