2011年11月5日、アメリカ ミネソタ州 ミネアポリス
16歳のエイミーは小児がんのためのチャリティーパーティーに出席した
エイミーを誘ったのは同級生のサミーとザック
実は ザックは骨肉腫と闘っていた
エイミーがダンスを楽しんでいると、右わき腹に鋭い痛みが走った
病院に運ばれたエイミーの病名は盲腸
すぐに手術をし退院すると
サミーが友人を引き連れて見舞いに来てくれた
その中にザックもいた
深刻な病に侵されながら人を気遣うザック
これがきっかけでエイミーとザックは親しくなっていった
高校の入学式を直前に控えていたある日、
突如 ザックの関節に異変が起きた
母と病院に行くと骨肉腫と診断された
ザックはすぐに治療を始めることになった
まず3か月間の化学治療、入院して学校には通えなかった
化学療法である程度 腫瘍を小さくしてから摘出した
大腿部を数センチと股関節を切除し、人工関節を入れた
高校に入ったらサッカーをやる夢は断たれた
運動ができない分、ザックが夢中になったのは音楽
幼馴染のサミーと歌うことが楽しみとなった
治療を始めて8か月が経ったころ、肺に新たな腫瘍が見つかった
両肺を開き、腫瘍は取り除かれた
この先は3か月ごとに検査をしていくことになった
高校2年生の時に何とか復学
しかしまた新たな腫瘍が発見され、再び抗がん剤治療となった
「抗がん剤は効いていません。治療は中断しましょう」
と医師に告げられ、もはや手の施しようがないと宣告された
エイミーと仲良くなったのは、そのころだった
エイミーはいつもザックを元気にした
ザックはエイミーに心が惹かれていることに気づいていたが、
もし告白しても辛い思いをさせるだけ、そう考えていた
だが好きになる気持ちは止められず、半年悩んだが、
エイミーが自分をどう思っているのか探ってくれないか?
とサミーにお願いした
「ザックの気持ちはとてもうれしい。でも私に受け止められるかな?」
「友達と恋人では全然違うもんね」
「サミーならどうする?」
「分からない。私は兄妹みたいなものだから。ザックに恋人ができれば生きる目標ができるからうれしい。本当に好きなら付き合ってあげて」
おそらく長くない彼と付き合っていけるのだろうか?
悩んだ結果…エイミーはザックに直接、
「頼りにならないかもしれないけど ずっとあなたと一緒にいたい」
「本当に?やった!信じられないよ」
エイミーはザックを支え、ともに困難と闘うことを決めた
その矢先「腫瘍は骨盤まで広がっています。骨盤を半分と左足を切断すれば局所の腫瘍は取り除けますが」
「もういいです」
どんな治療にも前向きだったザックが、初めて手術を拒否した
そしてこの日、余命宣告された。18歳の誕生日を迎えられるか…
死の恐怖、愛する人たちを遺して先立つ悔しさ…
命の期限をエイミーにも告げた
エイミーは一緒に泣いてくれた
病状は刻々と進行し、待ち合わせしても
突如入院することになり行かれないことも
エイミーのために腫瘍の増殖を抑える放射線治療を始めた
やがてザックの肺の腫瘍は巨大化、呼吸をするたび痛む
エイミーは学校が終わるとザックが眠るまで一緒に過ごした
ザックはみんなへの想いを「Clouds」というタイトルの歌にしていた
すると地元ラジオ局がこのことを知り、
ザックとプロのミュージシャンによって
レコーディングされることになった
愛する人のために作った曲は
You Tubeにアップされ300万回も視聴された
「エイミー 僕 新しい目標ができたんだ。プロムに君をエスコートする」
「本当!約束よ」
プロムはザックの18歳の誕生日の翌日に行われる
ザックは痛みを抑える緩和ケアを受けている状態
起き上がるのがやっとだったが、
エイミーをエスコートする、その一心が彼を奮い立たせていた
2013年5月4日、18回目の誕生日を迎えることができた
ザックとエイミーはプロム会場へと向かった
立っているのがやっとのザックは、見事エイミーをエスコートした
2013年5月20日、ザックは家族とエイミーに見送られ、この世を去った
ザックの死後、ミネソタ州で行われたチャリティーイベント
約5千人がザックが作った「Clouds」を大合唱
さらにこの曲は、iTunesのダウンロードでトップを獲得
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