ノーベル医学・生理学賞:大村智が微生物と出会った瞬間

ノーベル医学・生理学賞を受賞した北里大学:大村智

 

1935年、山梨県韮崎市神山村

村の有力者である父と小学校教師だった母の間に生まれた5人兄弟の長男

喧嘩っ早いガキ大将だったが、家の中では、違っていた

寝る前は必ず家族全員の下に行き、正座して

「お父様 おやすみなさい」「お母様 おやすみなさい」を言う

親のしつけも厳しく、食事も家族全員が揃わなければ始まらなかった

 

学校以外の時間は農作業(家の仕事)を手伝っていた

ある日、落ち葉などを拾い、堆肥を作っていた時のこと、

微生物の力で発酵し、60℃近くにもなる堆肥に触れた

これが最初に科学に目覚めた瞬間だった

 

●「人のためになるってことが大事なんだよ」

祖母が口癖のように語っていた言葉だった

人のためを体現していたのは、他ならない父親だった

当時、村には水道がなかった

そこで地下水を引き、簡易水道を張り巡らせ、

村のために無償で提供したという

 

英語は必ず必要になると戦時中にもかかわらず、

親が英語の勉強にこだわった

 

高校時代は卓球の国体選手に

山梨大学時代はスキーに没頭し、国体選手に

農業とスポーツ、勉強は少し…

卒業後は上京し、工業高校 定時制の教師となった

生徒から信頼が厚かったという

 

・研究の道へ

期末テストの最中、大村の目に飛び込んできたのは、

油の付いた生徒の手だった

工場で仕事をした後、登校し、テストを受けていた

「家が貧しいとか色んな事情があるでしょうけど私は一体何をやってるんだ。スキーばっかりやっていて、ようやく単位をとって卒業した状態で。これでもう一度やり直そうと勉強を始めました」

 

一念発起し、研究の道へ

失明を引き起こす感染症の特効薬:イベルメクチンを開発

毎年3億人を救っている

 

「人のために少しでも役に立つことないか。微生物の力を借りて何かできないか、これを絶えず考えております」

(1010)

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