法律を作った介助犬:シンシア

2015年3月、宝塚駅に街のシンボルとして設置された犬の銅像

 

1987年12月25日、木村佳友さんは結婚して2年目、27歳の時、

路面の凍結によりバイクが転倒、対向車に衝突した

首を骨折し神経がすべて切断、胸から下の感覚がマヒ状態に

車椅子での生活、在宅勤務でプログラマーの仕事をしていた

ある日、妻が「○○さんが柴犬飼ったんやって。うちも飼いたいな」

「無理やろ」自分のことだけで精一杯だった木村さんは、

犬を飼うことに反対した

しかし仕事や家事、自分の介護で気が休まらない妻のことを思い、

ラブラドールリバーを購入、シンシアと名付けた

おてんばなシンシアは 木村さんの言うことを全く聞かない

手足の不自由な木村さんを格下と見なしていた

 

ある日、障がい者を補助する介助犬の記事を発見

訓練所にシンシアのトレーニングを依頼した

4か月後、しかし、帰ってきたシンシアは、

トレーニングを受ける前よりも木村さんを無視するように

全く言うことを聞かないシンシア

訓練を終え1か月近く、諦めかけていたある日、

シンシアは履こうとした木村さんの靴を奪い、遊び始めた

木村さんは必死にシンシアに叫び続ける

ふとシンシアは、木村さんのもとに靴を置いた

これをきっかけにシンシアは指示に反応するように

 

いつしかシンシアは、木村さんと親子のような関係になった

木村さんを喜ばせようとどんどん新しいことを学んでいった

木村さんの生活に必要な100項目の補助する介助犬に

 

駅では「お客様と同伴して乗車できるのは盲導犬と警察犬だけなんです。介助犬というのは分かるんですが、次回からは遠慮していただけませんか」

当時、盲導犬と介助犬の違いは全く違った

盲導犬と同じように障碍者を介助する犬なのに

公共の場ではペット扱いされ、どこに行っても入店拒否

世間で認知されていた盲導犬は、法律で同伴することが認められてたが、

介助犬に関する法律など当時何もなかった

 

木村さんは介助犬を知ってもらうため奔走

講演会などを行い、介助犬の現状を訴えた

 

当時 国会議員で宝塚市長を務める中川智子が木村さんの活動を認め、

木村さんとシンシアが普段どんな暮らしをしているのか、

デモンストレーションを国会で行った

介助犬としてシンシアは、素晴らしいパフォーマンスを披露し、

2002年5月22日、障がい者の人が補助犬を同伴して施設を利用できるなどの法律:身体障害者補助犬法が成立した

 

その後も木村さんを支え続けたシンシアは、2004年に他界

2015年3月、宝塚駅に街のシンボルとしてシンシアの銅像が設置された

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